飲食店のネズミは保健所に通報されたら営業停止になるのか?そうなる前の対策方法

こんにちは、プロープル広報のkikuです。

「あなたの大切なお店を台無しにする、飲食店のネズミ問題」

飲食店を経営・管理されている方は、衛生管理に細心の注意を払っていると思います。

しかし、ネズミは10円玉ほどの隙間があれば簡単に侵入し、驚くほど速く繁殖します。もしお客様に「お店でネズミを見た!」と、保健所に通報され、クチコミやSNSで拡散されたら、事態は深刻な問題へと発展しかねません。

個人で対策してもネズミの種類や特性を理解しないと、被害はさらに悪化します。ネズミに大切なお店を台無しにされる前に、正しくしっかりと対策をして、お客様とお店を守りましょう。

今日のテーマは、「【飲食店の天敵はネズミ】保健所に通報され営業停止になる前の対策方法」

飲食店のネズミ問題のお問い合わせ窓口

なぜ飲食店にとってネズミが天敵なのか?

なぜ飲食店にとってネズミが天敵なの?

飲食店のネズミは衛生問題をもたらし、お客様からの信頼を失う原因のひとつになります。個人で対策をしていてもネズミがかじることにより、設備の損傷、病原菌やウイルスなど、深刻で多くの問題へと発展することがあります。

このように、ネズミは衛生面、経済面、精神面で飲食店に深刻な影響を与える天敵といえる存在です。

その中でも、最も大きく重要な問題とは……

それは、食中毒(サルモネラ菌)です。

ネズミがいるということは、菌やウイルスを撒き散らし、常に食中毒のリスクがつきまといます。

不特定多数が出入りする飲食店では、ネズミによる影響は一般家庭よりも大きくなる傾向があります。飲食店での食中毒はお客様の健康に直結し、店舗の存続にも関わる重大な問題です。そのため、「HACCPに沿った衛生管理」が非常に重要であり、見える形での衛生管理が求められます。

また、飲食店経営においてもう一つの大きなネズミの問題とは……

答え:クチコミです。

ネズミが発見されても、保健所に通報されたからといって必ずしもすぐに営業停止になるわけではありませんが、クチコミやSNSで情報が広がることで、店の評判は急速に悪化します。

飲食店では、イメージが売上に直結しています。衛生問題が発覚すれば、業績が下がり、最悪の場合は閉店に追い込まれることもあります。ネガティブな情報がネット上に残るため、迅速に対応しなければ事態がさらに悪化する恐れがあります。

<参考文献>:神奈川県公式ウェブサイト(HACCPの制度化について)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/e8z/20190419haccptop.html


「飲食店でネズミを見た」 → 通報 → 【営業停止になるの?】

飲食店でネズミを見たら保健所に通報?即営業停止!?

通報されたらすぐに営業停止になるのでしようか?

答え:すぐには営業停止になりません。

ではなぜ、すぐに営業停止にならないのか?

理由:先に保健所から通報内容の確認・調査があるからです。

それでは、もしも「飲食店でネズミを見た!」と通報があった場合の保健所による確認の流れを3つの段階に分けて説明します。

1. 「飲食店でネズミを見た!」通報の確認

まず、通報内容を正確に把握し、ネズミの目撃情報や汚染状況など、誤報やいたずらを含めて問題点を確認します。

2. 通報があった対象店舗の確認

次に、通報された店舗の所在地や営業内容、過去の衛生管理記録、以前に同様の通報があったかを調査します。

3. 現地調査の準備

その後、通報内容が事実である可能性が高いと判断されると、多くの場合、事前に店舗へ告知され、食品衛生監視員が訪問します。

現場では、ネズミの存在や衛生状態について具体的に確認します。

調査時に問題がなければ、通常通り営業を続けられる可能性があります。通報や告知を受けてショックを感じるかもしれませんが、重要なのは速やかに衛生環境を見直し、問題があれば改善に取り組むことです。

個人でしっかり対策をしていても、嗅覚が鋭いネズミにとって、食べ物が豊富な飲食店は魅力的です。

そのため、被害が深刻になると個人での対策には限界があります。日頃から「HACCPに沿った衛生管理」を徹底し、専門家や弊社に衛生管理を委託することで、ネズミ対策と被害状況の防除がより効果的になります。

ネズミやゴキブリなどの害虫による汚染が確認された場合、営業停止処分が科される可能性があるため、日々の衛生管理を怠らないことが、営業停止を防ぐ最も確実な方法といえます。


【食品衛生法】飲食店のネズミで行政処分!?

食品衛生法第55条で飲食店のネズミで行政処分になるのか

調査の結果、ネズミの存在や食中毒が発生してもおかしくない環境、衛生上の問題が確認された場合、食品衛生法に基づいて処分が行われます。

行政から食品衛生法第55条に基づく『営業停止命令』を受けた場合、最低でも3日〜7日間ほど店舗の営業ができなくなります。ただし、再発防止が確認されるまで必要な期間、営業停止が続くことになります。

重大な過失により汚染レベルがひどい場合や、食中毒など発生させてしまい、その原因が特定されない場合は、営業停止よりも厳しい『営業禁止(業務全体が禁止され、業務停止期間が定められない)』の処分が下されることがあります。

次に、ネズミによる飲食店の衛生問題で、食品衛生法に基づく処分が適用される場合を詳しく解説します。


飲食店の「営業停止処分」と「営業禁止処分」とは

飲食店のネズミ問題で営業停止や営業禁止とは?

衛生環境に深刻な問題(食品衛生法違反)がある場合、保健所から食品衛生法に基づく行政処分が下されます。

何でもかじるネズミは米袋や食品だけでなく、建物や厨房設備をも汚染し、糞尿で広範囲を汚染します。その結果、サルモネラ菌などの食中毒菌が食品や環境全体を汚染し、食中毒を引き起こす可能性があります。

【営業停止】が適用されるケース

営業停止となる場合について

結論:食中毒の原因特定や衛生環境の改善が必要な場合は営業停止

食中毒が発生し、食中毒の原因となる食品や汚染環境、病因物質が特定された場合や、衛生環境の改善が必要と判断された場合などで営業停止処分が科されます。問題が解決し再発防止策が確認されれば、営業再開が可能です。

【営業禁止】が適用されるケース

営業禁止となる場合について

結論:食中毒の原因が特定されない場合や、衛生問題が解決できない場合は営業禁止

店舗で食中毒が発生し、その原因が特定されない場合や、もしくは食品衛生上の問題が解決できず再発防止の見通しが立たない場合などで営業禁止処分が科されることがあります。この場合、営業全体が停止され、問題解決と再発防止策の確認が行われるまで、営業再開は認められません。

<参考文献>:神奈川県公式ウェブサイト(食品衛生関係行政処分取扱要領について)
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/108014/zennbunn.pdf

もし店舗が原因で食中毒が発生し、死傷者が出た場合には、賠償金の発生や社会的信用の損失に加え、最終的には厳しい処分が課せられます。


飲食店のネズミ問題「3つの対策方法」

自分でできる!飲食店のネズミの対策方法

一般住宅と比べ、飲食店では出没するネズミの種類の割合が異なります。

特に繁華街や市場に隣接する店舗では「ドブネズミ」の被害が多く報告されています。一方、テナントビル内にある飲食店や個人飲食店では「クマネズミ」の出没が主流です。「ハツカネズミ」は一般の飲食店ではほとんど見られませんが、倉庫や養鶏所、牧場などでの被害が報告されています。

店舗ごとの特性とネズミの種類を理解して、状況にあった3つの対策をしましょう。

「その1」飲食店のネズミ対策【隙間をふさぐ】

美味しい食べ物がある飲食店でのネズミ被害で一番大切なのは、「侵入させないこと」です。

ネズミは10円玉(2.35cm)ほどの隙間があれば侵入してきますし、それ以下でも食べ物のためにがじって広げて無理矢理にでも侵入してきますので怪しい隙間はふさぎましょう。

対策方法その1:ステンレス製の金網や金属タワシ、パンチング板、パテで隙間や穴を埋める。

それでも侵入が止まらない場合は、他にも侵入口がある可能性があります。

「ドブネズミ」は排水口からも侵入することがあるため、排水口に「グリストラップ」が設置されているか、目皿(めざら:穴が空いているふた)が正常に機能しているかを確認してください。

また、屋根付近の見落としがちな隙間からは、高所への移動が得意な「クマネズミ」が侵入することがありますので、そちらも確認が必要です。

「その2」飲食店のネズミ対策【食べ物を与えない】

調理場やキッチン周りのシンクの隙間には高確率で食材カスや残飯が落ちており、それが原因で流し台の下や冷蔵庫の裏などにネズミが巣をつくります。

対策方法その2:調理場周りの食材カスは細かくチェックし、ゴミ容器には必ずフタをしましょう。また、倉庫内の小麦粉や原材料は冷蔵庫や金属製の保存容器に保管することが対策として効果的です。

ネズミは雑食性で何でも食べます。

荷物が多く乱雑な場所は、身を隠しやすく、ネズミにとって快適な空間となり、種類に関係なく住み着きやすくなります。そのため、清潔を保ち、消毒を行い、巣をつくられる前に、ネズミの餌になるものをなくすことが効果的な対策となります。

「その3」飲食店のネズミ対策【撃退グッズを使う】

ホームセンターで販売されているネズミ撃退グッズには、忌避剤、毒餌(殺鼠剤:さっそざい)、捕獲器(トラップ)、超音波、粘着シート、などがあります。飲食店向けに効果が期待できるのは毒餌、捕獲器、粘着シートです。特に毒餌は、安全性を考慮して蓄積毒タイプの殺鼠剤がおすすめです。

対策方法その3:ネズミの通り道に、毒餌(殺鼠剤)や捕獲器、粘着シートを設置します。また、店舗内の餌となるものは必ず片付けてください。

それでは、次に殺鼠剤と捕獲器、粘着シートの使い方と基本を紹介しましょう。

殺鼠剤の使い方と基本

殺鼠剤は、ネズミに食べてもらうことで初めて効果を発揮します。そのためには、ネズミが通る道(ラットサイン:黒い汚れがある)を見つけ、安心して毒餌を食べられる環境を作ることが重要です。

まず、段ボールなどで簡易的なエサ箱(ネズミが入ってエサを食べられる大きさ)を作り、中に無毒の餌(パンのかけらなど)を入れてネズミを安心させます。

その後、同じようなエサ箱をネズミが通りそうな場所に設置し、一番餌が食べられているエサ箱に毒餌を入れ替えて効果を待ちます。

効果を確認するために、毒餌を無毒の餌に戻し、減っていないか確認してください。減っていなければ、毒餌が効いていると判断できます。

注意点:
ネズミがどこかで死んでいる可能性があるため、毒餌を設置した後は必ず調査を行いましょう。

捕獲器の使い方と基本

おとりの餌は、さつま揚げや魚肉ソーセージ、さつまいもを2〜3cm角にカットし、針金が見えないように、かつ餌が取れにくいようにしっかりと取り付けるのがポイントです。

ネズミの種類によって捕獲器の効果に差があり、その中でもクマネズミは警戒心が強いため、捕獲が難しいとされています。

一方、ドブネズミやハツカネズミは比較的捕獲しやすいですが、捕獲器では生け捕りになるため、攻撃的な性格のドブネズミには特に注意が必要です。捕獲後に噛まれて鼠咬症(そこうしょう)に感染するリスクがあるため、捕獲器から取り外した後の処理方法を十分に検討し、慎重に設置してください。

粘着シートの使い方と基本

粘着シートは、ネズミが粘着面を通過することで捕獲する方法です。

ネズミの通り道(ラットサイン:黒い汚れがある)には、少量ではなく複数枚を設置した方が効果的です。また、ネズミは壁に沿って移動する習性があるため、壁際に設置しましょう。

ドブネズミは下水や排水管を通って調理場に現れることがあり、体が汚物や下水で濡れているため、粘着シートにかかりにくい場合があります。

ネズミは夜行性なので、シートは夜に設置し、翌朝に確認と回収を行ってください。

捕獲後の処理には細心の注意が必要です。ネズミは多くの感染症を媒介するうえ、ネズミ本体や巣には寄生虫が潜んでいます。

宿主であるネズミが死ぬと、寄生虫(ノミ、ダニなど)が近くの人やペットに吸血のために襲いかかります。飲食店では、ノミなどによる吸血被害が口コミに影響を与えることもあるため、ネズミの巣を徹底的に清掃し、消毒することも重要です。

さらに、捕獲後のネズミの死骸は腐敗によって強い異臭を発し、ウジが発生することで二次被害に繋がる恐れがあります。

菌やウイルスを撒き散らすネズミへの対策後、そのままにしておくのは危険なため、徹底的な消毒が重要です。


よくある質問

ネズミが飲食店に出たら営業停止ですか?
すぐに営業停止にはなりません。仮に保健所に通報された場合でも、まずは状況確認が行われ、その後検査が実施されます。改善点が見つかれば、再発防止の指導が入ります。状況に応じて処分が決まりますが、もしも食中毒が発生し、その原因が特定された場合は「営業停止」、原因が特定できない場合は「営業禁止」となり、より厳しい処分が下されることもあります。検査結果に基づき、「食品衛生法」による行政処分が行われます。
飲食店にネズミが出たら臭いですか?
ネズミは独特の悪臭を放ちます。急に強い悪臭がするというよりも、ネズミが出入りしたり住み着いたりすることで、ネズミの巣にも徐々に糞尿が溜まり、悪臭が強くなります。毎日厨房や店舗にいると、匂いの変化に気づきにくくなり、慣れてしまうことがありますが、来店されるお客様には悪臭がすぐにわかってしまいます。
飲食店でネズミが出るのは当たり前ですか?
飲食店でネズミが出ることは避けられない問題ではありますが、当たり前と考えるべきではありません。ネズミの他にも、ゴキブリやハエ、ナメクジ、カラス、ハトなど、さまざまな害虫や害獣が集まりやすい環境ですが、これらを防ぐための対策は可能です。隙間を塞いだり、食べ物の管理を徹底することで、こうした害虫や害獣が住み着かないようにすることが重要です。しっかりと対策を取れば、被害を最小限に抑えることができます。
厨房の排水にグリストラップを設置したらネズミ対策はできますか?
グリストラップは構造上、下水からのネズミの侵入を防ぐ仕組みになっていますが、ネズミは下水以外にも、シャッターの歪みなどの小さな隙間からも侵入することがあります。グリストラップはネズミ対策の一つとして有効ですが、主な目的は下水汚染を防ぐことであり、排水に含まれる油や残飯を回収するための製品です。適切な清掃を怠ると、外からネズミやゴキブリを引き寄せる原因となるため、定期的な清掃が必要です。

まとめ

  • 飲食店におけるネズミは天敵であり、衛生問題やクチコミなど多くの問題を引き起こす
  • ネズミは食中毒の原因のサルモネラ菌を媒介しお客様の健康被害をもたらす
  • ネネズミが飲食店に出ても即座に営業停止にはならないが多くのリスクが伴う
  • 飲食店のネズミが通報されたら保健所による調査が行われる
  • 通報があった飲食店のネズミによる問題は食品衛生法に基づいて営業停止や営業禁止などの処分が下される
  • 飲食店のネズミ対策方法は食べ物を与えない、侵入させない、住み着かせないこと
  • 店舗の隙間を塞いで侵入させない
  • 厨房の食べ物や食材、ゴミなどの管理を徹底する
  • ネズミの通り道に粘着シートや捕獲器、殺鼠剤など駆除グッズを適切に使用する

飲食店で「ネズミが出た!」と問題になれば、SNSやクチコミでお店のイメージが低下し、売上に直結します。評判が急速に悪化し、業績が落ち込み、最悪の場合は閉店に追い込まれる可能性もあります。

もちろん、食中毒の問題も深刻ですが、ネズミによる被害はそれだけにとどまりません。個人での対策には限界があり、大切なお店がネズミによって台無しにされることは、非常に大きな損害となります。

大切なお客様とお店を守るためにも、『飲食店のネズミ問題』でお悩みの際は、現地見積もりが無料の弊社にご相談ください。ゴキブリやネズミなど、長期管理のお得なプランもご用意しております。