暗い寝室

朝起きたら太ももがかゆい…あっ、ダニに刺されてる!こういうことありますよね。巷ではよく「布団はダニの天国」と言われます。それなら布団にダニが湧いてるのも当然か…と、思っていませんか?

しかしダニは布団にしかいないわけではありませんし、ましてやどこからともなく突然湧き出てくるわけでもありません。ダニは家中のどこにでもいて、そして明確な侵入経路を経て家に入ってくるのです。

今回は布団以外にどんな場所に発生するのか、そしてダニはどこからどう家に入ってくるのか、対策はできるのかについてもご紹介していきます。

布団にだけ湧くと思ってませんか?ダニのハザードマップを見てみよう

ダニと言えば「高温多湿が好き」「布団にいっぱいいる」といったイメージが強いですよね。もちろんそれも正しいのですが、漠然と「そうした場所にしかダニはいない」「布団だけ対策しておけば大丈夫」…と考えていませんか?

ダニの繁殖場所ハザードマップ

【参考:東京都福祉保健局 東京都アレルギー情報navi.

ダニはどんな場所に、どこからどこまでの範囲で発生するのでしょうか?上の図は布団以外にダニの発生しやすい場所をマップにしたものです。

こうして見ると、ダニは椅子やソファやトイレマット、カーテンに押入れ、畳…要するに家中のどこにでも発生するということが分かります。

また繁殖場所の周辺範囲にもダニは生息しています。これは立ったり座ったりなど、人間が巻き上げたダニが周辺に落ち、そこで繁殖するためです。

ダニが繁殖する原因は何?

ダニは「高温多湿」を好むというのはよく聞きますよね。だからこそ布団でよく繁殖する…というのはもちろんですが、実は高温多湿なのは布団だけではありません。

実は現代の日本の住宅は昔と比べて気密性が高く、温度や湿度が一定に保たれやすいためダニにとっては暮らしやすい環境になっています。そのため現代家屋にいるダニは30年前と比較すると3倍にも増えているのです。

【出典:エステー公式サイト ダニはどこから家に入ってくるのですか?繁殖を防ぐ方法は?

つまり現代においては家の中全体が高温多湿、ダニにとって生息、繁殖しやすい環境だと言えるのです。

困っている害虫の中でもダニは上位

ダニがいることでどんな弊害があるのでしょうか?一般的には「刺されてかゆい」「刺された場所が痕になった」あたりがポピュラーですが、ゴキブリやムカデ、スズメバチのような実害は一見無いように思えます。

しかし、ダニそのものを始めその死骸やフンは「ダニアレルゲン」と呼ばれ、アレルギー性疾患を引き起こす原因となるのです。

害虫に関する意識調査では、自宅で困っている害虫の中でダニは全体の約10%を締めており、ムカデやスズメバチよりも多いことが分かります。

【出典:株式会社プラネット 害虫・害獣対策に関する意識調査

私達にとってダニの繁殖は思っている以上に深刻なのです。

移動するものすべてが媒体!ダニはどこからでもやってくる

家の中のどこにでもいるダニ達は元々どこからやってくるのでしょうか?

世間ではよく「ダニが湧く」という表現が使われますが、この表現だと「ダニはどこからともなく、虚空から湧き出ている」というニュアンスにもとれますよね。

しかし、実際のダニは湧いているのではありません。明確な経路をたどって、確実に家の中に侵入し繁殖しているのです。

ダニを家に持ち込む主な3つの媒体

ダニの侵入経路…というより、積極的にダニを家に持ち込んでいる媒体が存在します。

まず1つは人間です。例えば電車に乗って、友人宅を訪問したとします。すると電車の座席、友人宅のソファなど、あらゆる場所にいるダニが自分にくっついていきます。要するに、家に帰るだけでダニを媒介することになるのです。

2つめは人間が買ってきたもの、家に届いたものです。外で買った衣類、通販で買っておいた荷物などに付着したダニが家の中で生息、繁殖していきます。

そして3つめは家を建てた施工業者です。一見綺麗な新築住宅でも業者の衣類や持ち込んでいた養生マットなど、あらゆるものにダニが付着しています。そして施工終了時、無意識のうちにダニを置いていってしまうのです。

家と外を出入りしてない物も媒体になる

ダニを媒介しているものは家と外を出入りするもの、外から家にやってきたものだけではありません。

ダニは空気中にも存在しているので、ベランダに干した洗濯物などにもダニが付着してしまいます。また天日干ししようと出した布団も、同様の原因でダニが付着してしまう場合があります。

対策になる…と思っていたことも、実は逆にダニを呼び込んでしまっていたんです。

やってきたダニは追い出せる?ダニ対策は何をすればいい?

ダニはどこからでもやってくる。そしてダニアレルゲンとなって実害をもたらす。であれば対策を講じなければいけません。

しかし対策と言っても「ダニを家から追い出す」なんてできるのでしょうか?また、対策とは具体的に何をすればいいのでしょうか?

ダニを家から追い出すことはできる?

結論から言うとダニを追い出すことはできません。

アレルゲンとなるヒョウダニや人を刺すイエダニなど、よく家にいるダニは肉眼で確認できないため見えない場所にいくらでも滞留します。また人が家に帰ってくるだけで侵入するわけですから、完全に追い出し切ることは不可能です。

よって、「対策」をするのであれば「追い出す」ではなく「殺虫する」というベクトルになります。

ダニ対策は自分でもできるの?

一般的なダニ対策といえば、布団などをベランダに出して天日干しする、というのが有名ですよね。しかし先程も紹介した通り、この方法だと空気中にいるダニが付着する場合がありますし、そもそも天日干しではダニを殺すことはできません。

ダニは50〜60℃の環境に20〜30分以上晒されると死にます。なので、もし布団であれば布団乾燥機を使用する、衣類であれば高温のお湯で洗うなどが対策となります。

しかしカーペットなどの大物を高温で洗うのは大変ですし、畳や押入れなどその場から動かせない、かつ広範囲のものに高温を当てるのは難しいですよね。

ダニがどこにでもいる以上、自分でできる対策には限界があります。よく刺される、アレルギー性疾患の症状があるなど、実害が発生している場合は早めに専門の業者に駆除、見積もりを依頼するのがベストです。

まとめ

ダニはどこからでもやってきて、そして家の中のどこにでも生息し繁殖しています。

人間や荷物などが媒介している以上、どうしても侵入を防いだり追い出したりすることはできませんが、正しい対策を講じたり業者での駆除を依頼することでその数を減らすことはできます。

実害が出る前に、早め早めの対策をするようにしましょう。