朝早くにカラスが大量発生している。異常に鳴いている理由と集まる理由とは?

こんにちは、プロープル広報のkikuです。

黒くて少し不吉なイメージがある『カラス』

ゴミを漁ったり、大きな声で鳴いたり、時には人を威嚇することもあり、あまり良い印象がないですよね。

でも、なぜカラスは朝に大量発生し、大きな鳴き声を上げているのでしょうか?

今日のテーマは、「朝にカラスが大量発生する理由と異常に鳴く3つの理由」そして「集まるその意味」について解説していきます。

カラスが大量発生したときご相談窓口

朝にカラスが大量発生する理由とは

朝にカラスが大量発生する理由とは何でしょうか?

朝早く、大群のカラスが樹木や電柱、空を覆うように飛んでいる姿を目撃したことはありませんか?

その異常な大量発生には理由がありました。

理由:「ねぐら」から餌を求めて一斉に飛び立つから。

「ねぐら」とは、夜間にカラスが安全を確保するために数百~数千羽規模で集まる場所です。カラスは都市緑地や樹木が密集した場所をねぐらとして利用しています。

その「ねぐら」で夜を過ごしたカラスたちは、夜明け前に一斉に餌場(ゴミ集積所やゴミステーションなど)へ向かって飛び立ちます。この姿が「異常な大量発生」を感じさせる要因といえます。

また、周辺に残飯やペットの餌、動物の死骸がある場合、それらがカラスを呼び寄せる原因となる可能性もあります。

ただし、餌場での行動は小規模に分かれることが多く、目当ての餌場に向かう群れは多くても10羽程度、実際にゴミを漁るのは3~5羽のグループが一般的です。

そのほか、8月から翌年2月頃は繁殖期が終わり、若鳥が加わることでねぐらの規模が拡大し、カラスの大群がより目立つ時期といえます。

【朝にカラスが大量発生する理由】のまとめ

朝早くカラスが大量発生するのは、付近に「ねぐら」があり、夜明け前にねぐらを離れて餌場(ゴミ集積所やゴミステーションなど)へ向かうためです。数百~数千羽規模で集まるねぐらから一斉に飛び立つ姿が、「大量発生」と思わせる原因のひとつと考えられます。


カラスが異常に鳴く3つの理由とは

カラスが異常に鳴く3つの理由とは納得の理由がありました。

付近でカラスが異常に大きな鳴き声を上げている……何か理由や意味があるのか、心配になることがありますよね。

その異常な鳴き声には、主に3つの理由がありました。

理由その1:仲間とコミュニケーションをとるため

カラスをはじめとする鳥類は、鳴き声を使ってコミュニケーションを取ります。

コンタクトコール(地鳴きの一種)や、さえずり(求愛行動)などがその一例です。

中でも、コンタクトコールは大きな鳴き声を出し、自身の存在や餌の場所を仲間に知らせるために使われます。

単発的に「カァ」と鳴く声を聞いた他のカラスが応えるように「カァ」と鳴き返す行動は「鳴き交わし」と呼ばれます。この鳴き交わしが短時間に集中することで、周囲には異常に大きな声で鳴いているように聞こえる場合があります。

そのため、まだ経験の浅い若いカラスは、群れに加わることでコンタクトコールや鳴き交わしといった技術を学びます。このプロセスを通じて、彼らは危機回避や餌場の場所などの情報を習得し、群れの中で適応能力を高めていきます。

理由その2:繁殖期で巣を守っているため

群れで行動するカラスですが、特に繁殖期になると縄張り意識が非常に強くなります。

繁殖期(春から夏)を迎えたカラスは、ペアになり、巣がある範囲で行動します。

例として、ハシブトガラスのオスとメスの役割が挙げられます。
メスは巣で卵や雛を育てる一方、オスは近くの高い木にとどまり、巣を守ります。この間、カラスは外敵に対して大きな鳴き声で威嚇を行い、時には急降下して攻撃することもあります。

理由その3:危険や異常を知らせるため

カラスは非常に警戒心が強く、予期しない刺激に敏感に反応します。

例えば、いつもの餌場(ゴミ集積所やゴミステーションなど)に見慣れない物体や天敵の気配を感じると、仲間に知らせるために大きな鳴き声を発します。

また、カラスの危険察知能力は他の鳥にも影響を与えます。

カラスが餌を食べている場所は安全とみなされ、他の鳥も集まりますが、カラスが危険を察知して逃げると、それに連動して他の鳥たちも一斉に飛び立つのです。

【カラスが異常に鳴く3つの理由】のまとめ

カラスが異常に鳴く理由には、仲間とのコミュニケーション、繁殖期の縄張り防衛、危険や異常を知らせるという3つの理由がありました。これらの行動は、すべてカラスが生き延び、社会で適応するために必要な行動でした。異常に思える鳴き声も、実際には彼らの賢さと適応能力の表れといえるでしょう。


カラスの鳴き声で仲間が集まるその意味とは?

カラスの鳴き声で仲間が集まるその意味と理由はあるのでしょうか?

カラスは鳴き声を通じてコミュニケーションを取り、情報を共有しています。その中でも、仲間が集まる鳴き声には特別な意味がありました。

その意味とは、餌を見つけて仲間を呼んでいるから。

餌を見つけたときに発する鳴き声は「フードコール」ともいわれています。

『餌があるよー』と知らせる鳴き声を聞いた仲間たちは、その情報を頼りに集まります。

また、そのような異常に大きな鳴き声が聞こえる場所を調査すると、生ゴミや家庭菜園、畑の収穫漏れや残渣(ざんさ:収穫後に残る根やツルなど)といったカラスの餌になるものが見つかることが多く、フードコールをきっかけに集まったカラスが一緒に採餌する姿が目撃されています。


よくある質問

カラスが大量発生する時期はいつ?
秋から冬にかけて、ねぐらに集まる個体数が特に多くなる傾向があります。この時期は繁殖期が終わり、若鳥も加わることで大規模なねぐらが形成されます。そのため、多くのカラスが集まる様子が目立ち、「大量発生」と感じられる時期といえます。
カラスが大量に集まる理由とは何ですか?
カラスが大量に集まる理由は、大きく分けて朝と夜で異なります。朝には、餌を探すために一斉に餌場へ移動することが主な理由です。夜には、天敵への警戒や情報共有、つがい相手探しといった理由で、数百~数千羽規模のねぐらを形成し、集まります。
カラスが騒がしいのは何かの前兆?
カラスが騒がしい理由は、鳴き声を使って仲間と情報を共有(コンタクトコール)するためです。特に、餌場や外敵を発見した際に「カァ」と鳴き交わし、周囲のカラスに注意を促す行動が観察されます。また、繁殖期には縄張りを守るために鳴くことが多く、大きな声で外敵に警告を発します。さらに、天敵や環境の変化に対する警戒心が高まると、その情報を仲間に知らせるために鳴き声が目立つようになります。

まとめ

  • 朝にカラスが大量発生するのは「ねぐら」から生ゴミなどの餌に向かう姿が「異常な大量発生」を思わせることが原因です。
  • カラスが異常に鳴くのは仲間とのコミュニケーションのためと縄張りから巣を守ったり、危険を知らせるために異常に大きく鳴いていました。
  • カラスが鳴き声で集まる理由は、餌を見つけて仲間たちを呼んでいるからです。

カラスが集まると、糞による汚染や鳴き声の騒音、通学路や公園での縄張り被害が発生し、道を安心して通れなくなることがあります。特に女性や子ども達が威嚇や攻撃を受ける被害が多いため、早めの対策がとても重要となります。

カラスの鳴き声や「大量発生」を目撃した時には、見積もり無料の弊社までお気軽にご相談ください。


<参考文献>:伊澤 栄一, カラスのコミュニケーション:聞く・見る・触れる, 動物心理学研究, 2017, 67 巻, 1 号, p. 11-18, 公開日 2017/06/29, [早期公開] 公開日 2017/05/02, Online ISSN 1880-9022, Print ISSN 0916-8419,https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/67/1/67_67.1.2/_pdf/-char/ja

<参考文献>廣部 博之, 藤岡 健人, 三上 修, カラス2 種の生息環境,利用空間の高さ,および行動個体数の違い, Bird Research, 2021, 17 巻, p. A21-A29, 公開日 2021/06/25, Online ISSN 1880-1595, Print ISSN 1880-1587,https://www.jstage.jst.go.jp/article/birdresearch/17/0/17_A21/_article/-char/ja/

<参考文献>:唐沢 孝一、カラスはどれほど賢いか: 都市鳥の適応戦略、中央公論新社、1988、p.248、