屋根裏でネズミは何をしているの?走り回るホントの理由とは何か?

こんにちは、プロープル広報のkikuです。

今日のテーマは「屋根裏のネズミは何してる?」

夜になると天井や屋根裏でネズミが騒いでいる……「トトトトト、バタバタ、ドドド…」あんなに走り回って、いったい何をしているの……もしかしたら、ネズミがたくさんいるのかも?

その症状!そのままだと大変なことに!?

天井や屋根裏は、ネズミが嫌う人間の気配がないため、ネズミやその他の害獣にとって理想的な空間となります。その結果、ネズミたちは天井で困った活動をしています。

屋根裏のネズミは何をしているのか?気になったらご相談窓口まで

屋根裏でネズミは何をしているのか?

屋根裏でネズミは何をしているのか?

目の届かない屋根裏で、いったい何をしているのでしょうか?

答え:屋根裏でネズミは巣を作って、家族を増やしています。

一般家庭に侵入して屋根裏で被害をもたらすネズミの多くは「クマネズミ」という種類のネズミです。

このネズミは高い場所への移動が得意で、天井や屋根裏、壁の中などに巣を作る傾向があり、特に天井や壁の中には「断熱材」があり、それを巣材として利用し、棲家を快適な空間として出産をし、子育てに利用しています。

さらに、屋根裏に溜まった糞尿が原因で、病原菌の温床となってしまうのです。


天井で「ドドドドド……」なぜあんなに走り回っているの?

天井で「ドドドドド……」なぜあんなに走り回っているの?

「ネズミの大運動会」と例えられますが、天井や屋根裏で走り回っているその理由とは?

理由:楽しいから

走り回るのは、安心できる広い空間で、仲間と追いかけっこをしたり、さらに、成長した子ねずみが、成熟して子どもを作れるタイミング【発情期(前発情期)】で活動的だからです。

ネズミの発情期の周期は約4日間で、4〜5日ごとに発情期が訪れる。

この周期は非常に高頻度で、クマネズミの場合、一度に5〜7匹の子どもを産みます。産まれた子どもは、12〜16週で繁殖可能となり、この状態を放置すると、数が「ねずみ算式」に増えてしまいます。

<参考文献>:篠田 元扶, 三浦 豊彦, 田所 作太郎, 平面ケージおよび回転かごケージで測定した雌ラットの生活行動リズムの相違について, Experimental Animals, 1988, 37 巻, 4 号, p. 463-468, 公開日 2010/08/25, Online ISSN 1881-7122, Print ISSN 0007-5124, https://www.jstage.jst.go.jp/article/expanim1978/37/4/37_4_463/_article/-char/ja

<参考文献>:篠田 元扶, 三浦 豊彦, 田所 作太郎, 雌ラットの性成熟過程における行動活性リズムの変化, Experimental Animals, 1991, 40 巻, 1 号, p. 83-87, 公開日 2010/08/25, Online ISSN 1881-7122, Print ISSN 0007-5124, https://www.jstage.jst.go.jp/article/expanim1978/40/1/40_1_83/_article/-char/ja

<参考文献>:篠田 元扶, 三浦 豊彦, 長期観察に基づく幼若, 成熟および老齢ラットにおける車回し運動ならびに移所運動活性の比較, Experimental Animals, 1994, 43 巻, 1 号, p. 79-84, 公開日 2010/08/25, Online ISSN 1881-7122, Print ISSN 0007-5124, https://www.jstage.jst.go.jp/article/expanim1978/43/1/43_1_79/_article/-char/ja


幾何級数的なネズミの繁殖能力「ねずみ算」

脅威的なネズミの繁殖能力「ねずみ算」

「ねずみ算的に増える」という表現を聞いたことはありませんか。

江戸時代の「塵劫記(じんこうき)」という算術の書物の第36に「ねずみ算」が登場します。

問題:『正月にネズミの夫婦が現れて12匹の子供を産み、そのうち半数がメスだった。2月には母親と6匹のメスの子供がそれぞれ12匹の子供を産んだので、全部で98匹になった。この時、メスは毎月12匹の子供を産み、その半分がメスである。12月には何匹になっているでしょうか?』

答え:27,682,574,402匹

まさに、ネズミの繁殖能力を示す算術で、非常に速いペースで数が増加する様子を物語っています。

まさか!ネズミが270億匹に……

ねずみ算的に家のネズミは増えてしまうとは?

例えばグラフのように、1組の「ネズミ」が、1ヶ月に12匹の子ネズミを産むと仮定して、1年後には約276億8257万4402匹のネズミが存在するという計算になります。

実際にはそこまで増えることはありませんが、子ネズミが成長し繁殖を開始すると、ネズミは幾何級数的(きかきゅうすうてき、つまり同じ数をかけ続けて大きくなる数列)に増加することがあります。

ねずみ算とは、「(等比級数を扱った和算の演算法の名前から)物事の量が急激に増えていくことのたとえ。(『新明解』より)」

以前述べた通り、天井や屋根裏を棲家とするネズミは「クマネズミ」です。このネズミは一度の出産で平均して約5匹の子供を産み、クマネズミの平均寿命は屋内で2〜3年とされており、健康状態や生活環境によって出産回数にも変動が見られますが、それでも数百匹の増加が予測されます。

<参考文献>:宮岡洋一, ネズミ算って知ってる?—等比数列と指数関数—, (2011 年 10 月 26 日 藤岡おもしろ数学教室), 東京大学大学院数理科学研究科, https://mathsoc.jp/publication/tushin/1604/1604miyaoka.pdf


よくある質問

屋根裏にネズミがいたらどうすればいいですか?
まずは、ネズミ用の「忌避剤(きひざい)スプレーまたは、くん煙タイプ」を使って屋根裏から追い出しましょう。忌避剤でダメなら、粘着シートや毒餌で対策するとなりますが、その後の処理を考えると二次被害(ノミや病原菌など)に注意してください。また、警戒心が強いネズミはワナに近寄らないことがあるので、1週間毎にワナの位置を変えることもおすすめします。
屋根裏にネズミがいるとどんな音がしますか?
屋根裏にネズミがいると、さまざまな音が聞こえてきます。よく聞こえるのは「パタパタ」「トトトト」「ドドド」「トタトタ」「カサカサカサ」といった足音。また、ネズミが移動する際に何かをかじっているときには「カリカリ」「ガリガリ」、他にも、「キュキュキュ」「キュッキュッ」「キーキーキー」と鳴き声が聞こえてきます。ネズミは「チューチュー」とは鳴かないんです。
家にねずみが出る理由は?
理由は散らかっているから。整理整頓が不十分だとネズミは出ます。ネズミにとって身を隠せて、食べ物や飲み物が簡単に手に入りやすい環境であり、しかも、家の中は雨風もしのげて、ネズミが巣を作り、子育てをする条件にピッタリの場所といえます。
家にネズミがいるサインとは?
「ネズミがいるサイン=ラットサイン」があります。まずは糞(小さくてコロコロしている)を見つけましょう。その他にも、かじった跡や物音、鳴き声がする、壁の隅には黒いこすれた汚れがあったり、悪臭を感じるなど、さまざまな痕跡が、ネズミがいるサインとなります。
天井裏にいるネズミを追い出す方法はありますか?
ネズミの嫌いな匂い(ハッカやミント、などの天然成分)で一時的に追い出すことができますし、人の気配を感じさせる音(ラジオやテレビ)で忌避することもできます。しかし、ネズミは賢いため、すぐに慣れてしまいます。そのため、ネズミを追い出した後は、ステンレス製の素材で侵入口をしっかりと塞ぐことが、再侵入を防ぐ有効な手段となります。

まとめ

  • ネズミは屋根裏で何をしていたか?巣を作り繁殖していた
  • 走り回る理由は仲間と楽しいから
  • 算術にある「ねずみ算」驚異的な数字だが、屋根裏に住み着く「クマネズミ」でも数百匹に繁殖することもある

ネズミは人目が届かない天井や、屋根裏などの場所を棲家とし、家族を増やして繁栄しています。さまざまな病原菌を含み、深刻な健康被害と、糞尿による天井の汚染で経済的被害も増加しています。

彼らの存在は通常目に見えないため、「ネズミがいるサイン」見逃さないよう注意しましょう。


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<参考文献>:日高 敏隆 監修、日本動物大百科1哺乳類1、平凡社、1996、p.156、