一見可愛く見えるハトですが、そのフンには様々な菌やアレルギー源が潜んでいます。
中には、ハトにエサを上げたり、ハトに近づいて行ったりする人もいると思います。ただ、そのような行為には細心の注意が必要なのです。
そこでこの記事では、ハトのフンが持つ菌やアレルギーについて詳しく解説していきます。
ハトが好きな人は意外と多い!
ハトは、性格もおとなしく、見た目も可愛らしいため、様々な人から愛されています。
公園などで、ハトにエサを上げている人もいれば、ハトに囲まれたベンチで寝転んでいる人もいます。
しかし、冒頭でも解説したように、ハトやハトのフンには様々な菌やアレルギー源が潜んでいることがあり、触ったり、エサを上げたりするのは危険が伴う場合もあるのです。
知っておくべき!ハトのフンに隠された脅威とは!?
では、ハトのフンは一体どのような菌を持っているのでしょうか。
また、それらの菌が体内に入ると、どのような被害を受けてしまうのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
鳥インフルエンザ
まずは少し前に大流行した鳥インフルエンザです。
鳥インフルエンザは、比較的死亡率が高く、非常に危険な病気です。
鳥インフルエンザというのは、人間に感染する確率が低いと言われていますが、実際に感染し、まん延した事例がありますので、注意する必要があるでしょう。
鳥アレルギー
続いては鳥アレルギーです。
ハトのフンを吸い込んでしまうと、その中に含まれている菌を吸い込んでしまうことになりますので、間質性肺炎を引き起こす場合があります。
間質性肺炎というのは、正式名称を鳥関連過敏性肺炎と言い、言わずもがな鳥から感染する病気です。
このアレルギーを引き起こすと、
- 熱
- 咳
- 呼吸困難
などの症状が出る場合があり、生活に支障をきたしてしまう可能性があるのです。
オウム病
名前だけ見ると、
「オウムからしか感染しないのでは?」
と思う人がいるかもしれませんが、ハトやハトのフンからも観戦します。
このオウム病というのは、ハトや小鳥などの体内に潜む、
オウム病クラミジア
という微生物が原因となっています。
全てのハトが保菌しているというわけではありませんが、大体30%~70%程度の鳥の体内に潜んでいます。
軽症の場合は、
- 頭痛
- 倦怠感
- 筋肉痛
などの症状だけですが、重症になると、
- 肺炎
- 気管支炎
などを誘発する可能性があり、非常に厄介なのです。
サルモネラ食中毒
サルモネラ食中毒の原因となる菌は、全体の約2割のハトが保菌しています。
食中毒ですので、
- 下痢
- 強い腹痛
- 吐き気
- 熱
などの症状が出ることが多く、ただの風邪で済ますことができないくらいの辛い思いをします。
ニューカッスル病
日本ではあまり聞かない病名ですが、インフルエンザや急性結膜炎に似た症状ができます。
これは、ハトだけではなく、様々な鳥類から感染する可能性もありますので、注意が必要です。
トキソプラズマ症
トキソプラズマ症になった場合、
- 無症状
- 軽度の風邪症状
などを引き起こします。
この原因となる菌は、様々な鳥類が保菌していて、もちろんハトの30%~50%もこの菌を持っています。
「意外と症状が軽いな」
と思う人がいるかもしれませんが、妊婦さんなどが発病してしまうと、流産などのリスクが高まるため注意しましょう。
ヒストプラズマ病
ヒストプラズマ病というのは、ハトのフンに含まれるヒストプラズマ真菌と呼ばれるカビが原因となっています。
少量吸い込んだだけでは、症状が出ないこともありますが、大量に吸い込んでしまうと、インフルエンザのような症状が出たり、結核に似たような症状が出たりする場合があります。
健康な成人の場合は、自然治癒することが多いのですが、乳児や高齢者などが発病してしまうと、悪化してしまう可能性が高いため注意しましょう。
クリプトコッカス症
この病気は、主にハトから感染します。
クリプトコッカス病の菌は、2年以上も生存し続け、発病すると、
- 皮膚炎
- 熱
- 肺炎
などを引き起こす可能性があります。
また、重症化してしまうと、命にかかわる状態になってしまう可能性もある非常に恐ろしい病気です。
危険を避けるためにもハトは寄せ付けるべきではない
このように、一見愛くるしいハトでも、フンなどには非常に危険な菌やアレルギー源がたくさん潜んでいるのです。
このような恐ろしい病気、アレルギーを避けるためにも、できるだけハトを近づけないということが大切になります。
家の近くに巣を作ってしまっている場合などは、一刻も早く駆除するようにしましょう。
まとめ
この記事を見ている人の中には、
- ハトにエサをあげていた
- ハトに触ろうとしたことがある
- ハトの巣が家の近くにある
などの項目に当てはまる人もいると思います。
しかし、ハトやハトのフンには今回紹介したように、恐ろしい病原菌が潜んでいますので、触らない、エサを上げない、巣を作らせないという対策が必要になるでしょう。