ペット動物である犬や猫と違い、街の嫌われ者であるカラスやハトなどの害鳥。
しかし、ハトは昔から「平和の象徴」としてさまざまな式典映像などで登場します。
カラスに関しては日本神話にも登場し、神の使いとして神武天皇を大和国へ案内した、「導きの神」と伝えられているのはご存知でしょうか。
そんな歴史を持つカラスやハトですが、現実ではゴミ置き場を荒らし、ベランダや軒下の糞被害などが問題となっています。
糞被害などは健康面にも影響を及ぼす深刻な問題なので、個人で撃退する方法や駆除方法をしっかりと学んでいきましょう。
害鳥を駆除・撃退しても良い?
家に寄りついたカラスやハトなどの害鳥に悩まされると、すぐ駆除したくなる気持ちになるかと思います。
しかし、実は鳥獣害駆除の専門業者でない個人が無闇に動物を駆除すると、「鳥獣保護法」に触れてしまうので注意しましょう。
正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」と言い、第三章第八条に、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等をしてはならない」と記述されています。
個人が許可なく鳥獣を捕獲したり怪我を負わせて駆除したりした場合、法律違反として100万円以下の罰金または1年以下の懲役が課せられるので注意してください。
参考として、下記に環境省の鳥獣保護法に関する規約を載せておきます。
なお、特別な理由があり、止むを得ず個人で駆除する場合は「鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可申請書」等の書類を役所に提出する必要があります。
ハトは羽毛や糞に様々な病原菌が付着していたり、ノミ・ダニなどの寄生虫も潜伏していたりするので、半袖半ズボンでの作業は絶対に避けましょう。
各種鳥獣の性質など、詳しい知識がない場合は駆除専門業者への依頼が最も効果的です。
困った場合は、迷わず専門業者へ連絡してください。
害鳥被害で考えられる様々な問題
鳥類には大量の病原菌が潜伏していて、中でもハトによる糞害は害鳥被害の中でも最多です。
糞被害の多くは、乾燥した糞から舞い上がる細菌が、目や鼻、傷口の粘膜に付着して感染すること。
害鳥被害の中でも最も注意しなければいけないのが、糞による感染症です。
小さな子どもや、体の弱い高齢者と一緒に生活をしている人は注意しましょう。
その他、鳴き声による騒音被害もあります。騒音被害で有名なのが、駅前の街路樹に群がってく鳴く大量のムクドリで、夏から秋の時期に騒音がピークに達します。
農林水産業への被害も確認されているなど、人との距離が近い分だけあらゆる方面に被害が及んでいる状況です。
日本で確認されている害鳥の種類
現在日本で発生している害鳥被害は、大きく分けて3つの種類に分類することができます。
1つ目が「糞害」、2つ目が「騒音・ゴミ置き場などの住環境への被害」、3つ目が「農林水産業への被害」です。
下記では、それぞれの被害内容ごとに害鳥を紹介します。
<糞害>
・ハト
・カラス
・スズメ
など
<住環境被害>
・カラス
・ムクドリ
・スズメ
・キジバト
・ハト
・ヒヨドリ
など
<農林水産業被害>
・カラス
・ハト
・キジバト
・スズメ
など
個人で可能な害鳥の撃退方法
害鳥を駆除するには、役所への許可申請書を提出することが必須です。
しかし、害鳥にとって居心地の悪い環境を整備することで、大きな被害を防ぐこともできます。
下記に、害鳥撃退に必要な装備とおすすめの道具を記載したので、ぜひ参考にしてください。
<害鳥対策の服装・準備する道具>
服装・必須道具 | 詳細 |
ヘルメット、頭巾、ゴーグル | |
ゴム手袋 | 頑丈なもの、厚手のもの |
長靴 | |
長袖、長ズボン | |
マスク | |
消毒液 | 怪我をしたときの備え |
ゴミ袋、キッチンペーパー、新聞紙 | 糞の掃除などで使用 |
<害鳥の撃退におすすめの道具>
服装・必須道具 | 詳細 |
忌避剤・薬品 | 鳥獣が嫌う匂いが混ぜ込まれた薬剤を設置 |
剣山・スパイク・プロテクタ | ・ベランダや手すり
・骨組みなどの鳥が寄り付きそうな部位に設置 |
防鳥網・ネット | ・害鳥の侵入を防ぐための網目の細かいネット
・10mm角前後の網目が望ましい |
電気ショック機 | 電気の通るワイヤーを設置 |
磁石 | 渡り鳥などが持つ生体・生物磁石に対して |
超音波 | 鳥類が嫌う超音波を発する |
鳥よけフィルム | 蛇柄フィルムを設置して鳥類を威嚇 |
以上のような対策はありますが、カラスは賢いため長期的な効果は期待できません。
また、ハトは馬鹿だと言われますが英国の大学調査で、「犬よりもハトの方が賢い」ということが明らかになったとイブニング・スタンダード紙は伝えています。
電気ショックなどの設置が難しい道具ほど効果的ですが、これらは専門的な知識も必要です。
被害に遭ったら早急に対処しないと自体が深刻化するので、無理をせずに専門の駆除業者へ依頼することが最も効果的な方法だと言えるでしょう。
まとめ
特別な許可がないと、害鳥でも「鳥獣保護法」で守られているので、傷つけたり捕獲したりすることは許されません。
また、鳥獣駆除の許可申請書を提出して道具を揃えても、鳥獣の特性などを理解していないと完全な駆除は難しいです。
今回ご紹介したように、個人でできる防鳥・撃退対策を試みたうえで、それでも無理な場合はすぐに専門業者へ連絡するようにしてください。